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やいまスターインタビュー

アルベルト城間

やいまスターインタビュー「アルベルト城間」

『石垣には本当に毎年来たいと思ってます』


―まず日本に来たきっかけを教えてください。

アルベルト城間
 僕はペルーのリマ市で生まれて、20歳まで過ごしました。
 日本語はしゃべれなかったけど14歳からずっと趣味で日本の歌を歌っていて、19歳のときに大きな歌のコンテストで優勝し、賞品の航空券で日本に来ました。

―そのコンテストではクールファイブの歌を…。

アルベルト城間
 あっ、もう知ってるじゃないですか。しゃべることなくなっちゃった(笑)。

―日本に来た当初の印象はどうでしたか。

アルベルト城間
 最初はね、東京に一ヵ月半くらい住んでいたんだけど、何でも速いなと思いましたね。
 生活のスピードにすごい勢いがあって、田舎から下りたばかりの自分は歩くだけで人につぶされるような感じだった。
 そんな中で「毎日こんな生活で、自分は何が楽しいんだろうなあ」って思ったりしたんですよ。

―沖縄はいかがでした?

アルベルト城間
 沖縄は初めてだったけど、どこか懐かしかったですね。
 またこんなに独特の文化を持っているなんてショックでした。
 ペルーでも僕たち3世代には自分たちがウチナーンチュだという意識はほとんどないです。
 そう意識してるのは2世の人たちまでくらいかな。

―沖縄で古典音楽を学んだんですよね。やってみてよかったことは何ですか。

アルベルト城間
 最初は三線と太鼓の両方をやっていたんだけど、自分の歌はちょっと違うかなとったんですよ。
 それで太鼓だけ6年間やりました。
 古典音楽をやって音楽に対する姿勢とか、物の考え方、そして人生そのものまできちんと学べたような気がしましたね。
 沖縄に来てから生活に慣れるまで本当に苦労したけど、おかげで周囲の人にも恵まれた。
 古典音楽はある面ではとても保守的で、また反面では革命的で、その両面があるからたくましいのかなって思います。

―アルベルトさんは日本語も流暢ですが、日本語や沖縄の方言で好きな言葉はありますか?

アルベルト城間
 沖縄の方言はあまり分からないけど、日本語ではやっぱり「がんばる」っていう言葉が好きですね。
 東京の記者さんなんかには「イヤな言葉でしかなかった」って言われたことがあるんですよ。
 でも僕たちはこの言葉があったから今までがんばれたし、僕にとってはいい言葉だったから歌でもいい意味で使っていきたいなあって思います。
 日本では特に、スペイン語や英語じゃなくて、日本語にしか伝えられないものがあるんですよ。
 だから例えばディアマンテスが外国でやるとしても、僕らは日本のバンドだから持っていくのは言葉も含めてやはり日本の文化ですよ。
 まあ僕はもっとウチナーグチで歌えたらなあと思っていますけど…。

―あの、沖縄でも音楽活動などをするとき東京に出ていってしまう人が多いんですけど、ディアマンテスは現在も沖縄を拠点に活動していますよね。やはりこだわりみたいなものがあるんですか。

アルベルト城間
 うーん、これはたまに考えますよね。
 何回も東京を往復しているといろいろ大変なことも多いし、一時期でも東京に住むのがいいのかなとか正直考えるんですよ。
 だけど沖縄からやっていけるというのはありがたいことだし、とても恵まれていると思う。
 だからこの状況に感謝しないとバチが当たるよ。(笑)
 しかしそれは「沖縄から動かない」とかじゃなくて、一番の理想はどういう形なのかということなんです。
 だからこれから先、どこかに移動したりする日が来るかもしれない。
 でもそうなるとしても今は沖縄からやっていきたい。
 また沖縄で活動していなかったら今までの曲を作れなかったと思うし、こんなに応援されていないと思います。

―来月、県内各地で行われる「スポレクおきなわ97」(P36参照)のテーマ曲「ポンテ元気」を歌っていますね。

アルベルト城間
 僕、日本語でぜーんぶ歌詞を書いたのはこの曲が初めて。

―「ポンテ」とはどういう意味ですか。

アルベルト城間
 スペイン語で身につけるという意味。
 だから「元気になろう」ということですね。
 これはねえ、名古屋でライブをやった翌日、ドラムのホルヘが元気なさそうだったから「栄養ドリンクでも飲んだら」という話をしていてね。
 そのときに僕がスペイン語と日本語で「ポンテ元気!」って言ったんですよ。
 「これだ!」って思いましたね。
 「ガンバッテヤンド」だって会話の中から思いついた。
 ポロッとその言葉が出てきたんですよ。

―話変わりますけど、石垣でのコンサートは実に4年ぶりですね。

アルベルト城間
 僕はね、本当に毎年来たいんですよ。
 僕らはいつも「沖縄から日本へ」と言っているけど、この石垣に来たとき「離島から始まらないといけない」と思ったんです。
 沖縄本島は今いろいろな問題を抱えているけど、そこで解決できないとかもうどうしようもないというところで、必要としているのは離島じゃないかと思うんですね。
 また特に八重山は音楽的にも優れているところだし、もっと足を運んで勉強したい。
 沖縄も八重山もそれぞれのカラーがあって、どっちも故郷にしたいなあって思います。

―故郷といえば、八重山の風景の中でどこかペルーに似た景色ってありますか。

アルベルト城間
 そうだねえ、八重山の雰囲気はブラジルに少し似てますね。

―えっ、ブラジル? どの辺がですか。

アルベルト城間
 山は緑だし…何となく全体にですね。
 ドライブしたときにね、そう思ったんですよ。
 だってここ、パッションフルーツを作っているでしょ。
 ああやっぱりそうだ、こっちは南米だって思った(笑)。

―食べものの話が出ましたけど、沖縄料理で何か好きなものはありますか。

アルベルト城間
 そば! ゴーヤーチャンプルー。ラフティー。あとバナナチャンプルー(笑)。

―バナナチャンプルー?

アルベルト城間
 変な話だけど僕は沖縄で新しい料理を作ってみたいなと思ってさ、あるお店にバナナチャンプルーを作ってもらったのよ。
 それが沖縄テレビの「るーずぼっくす」っていう番組で紹介されて、早速そのお店のメニューに加わったんだけど…誰も注文しない(笑)。

―おいしいんですか(笑)。

アルベルト城間
 僕はおいしいと思うけど他の人はわからない(笑)。
 要するに野菜チャンプルーの中にバナナを入れるわけだからね。
 えーっという感じでしょ。

―では最後に八重山のみなさんにメッセージを。

アルベルト城間
 今回こういう機会があってすごく感謝しています。
 これからまたぜひこの石垣で大きなことをどんどんやっていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

 いやあ、アルベルトさんは本当に気さくでいい方でした。
 忙しい日程の中にもかかわらず、ときには熱く、そしてときには大きな声で笑いながらたくさんのお話をしてくれました。
 次回はメンバーのみなさんともお話ししてみたいなあ。

(情報やいま1997年11月号より)

 


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