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竹富方言辞典

日本最南端の出版社南山舎

南山舎出版物は当社オンラインショップ「島のもの屋」から直接ご注文頂けます。
また、お近くの書店でご注文の際には「地方小出版流通センター取扱品」とご注文下さい。ご注文から約2・3週間で入荷となります。
 
 

竹富方言辞典


前新透氏が二十七年の歳月をかけて採集した方言を収録し、日本最南端の出版社から刊行されたこの辞典は、琉球語と日本語の古層、民俗を研究するための貴重な文化遺産である。
(公益財団法人 日本文学振興会)

定価:27,000円(25,000円+税)



先祖から引き継がれた生活や大切な文化が凝縮された言葉


 ムニバッキター(言葉を忘れたら)
 シマバッキ  (生まれ島をも忘れ)
 シマバッキター(生まれ島を忘れたら)
 ウヤバッキルン(親までも忘れる)

 これは、大正生まれの前新透先生がよく口にされる格言である。先生の生まれ島は竹富島なので竹富方言になっているが、各島で、各島の言葉でよく耳にする格言である。にもかかわらず、今や世界中で方言が消滅の危機にさらされ、八重山の島々もその例にもれず危機は深刻だ。
 25年前、教職を退いた透先生は、かねてより思い温めていた竹富方言集めをしようととりかかり始めた。ところが、その当時でも方言で会話をしている家庭など皆無に近いことを知り愕然とする。以来、今日に至るまで、すぐれぬ体調をおして、営々として竹富方言辞典づくりに励んでこられた。そんな先生が現役教師時代のことを回想し、次のようなお話をされたことがある。
 「戦後まで教育の現場では標準語励行がまだ盛んだったが、国語教師になりたての自分は、『方言まじりの妙な標準語』を正しい標準語に直すよう、率先して指導した。標準語励行の功罪を問えば、結果的には円滑な意思
疎通を可能にしたことによる恩恵は非常に大きいと思う。しかし、その時代の指導方針だったとはいえ、今思えば『方言を標準語に』ではなく、『どちらも大切にして両方きちんと話せるように』指導すべきだった」と。
 過ぎた昔の話ではあるが、「言葉を忘れたら…親までも忘れる」と聞かされて育った者にすれば、方言をもっと大切にすべきであったと、今も複雑な思いがあるのだろう。まして、これほどまで急速に方言が消えようとしていては、なおさらである。
 方言というものは、最大公約数的な共通語に置き換えて意味が伝わればそれでよい、という代物ではない。単純に置き換えることのできない、先祖から引き継がれた生活や大切な文化が凝縮された言葉だからだ。
 方言辞典を手がけてきた25年という歳月には、単なる情熱だけにとどまらない、教育者としての良心、生まれ島を忘れない島人としての愛情を感じさせる。テードゥンムニ(竹富方言)とともに、透先生の島を思う心も、伝えられていってほしいものだと願う。(南山舎)
 

目次

口絵
★巻頭カラー
はじめに 凡例

文法編

本文編
★17,700語を収録! ★国際音声字母による音声表記 ★竹富方言辞典として最大にして最も詳細な記述内容 ★伝統的な竹富島の民俗文化に関する豊富な記述 ★沖縄古語・石垣方言・首里方言との比較検討を行い、竹富方言の独特な姿を明らかにした

付録編
・八重山諸島地図  ・原名  ・御嶽名  ・井戸名  ・海 ・干瀬 ・海岸名  ・インノタ(西屋敷)  ・アイノタ(東屋敷)  ・ナージ(仲筋屋敷)  ・ 竹富の伝統的家屋配置と
家屋内部等の方言呼称  ・竹富島の主な民具  ・方言会話事例  ・ 琉球方言の音節仮名表記 一覧

索引編
★共通語から竹富方言を逆
引きできる索引編
あとがき


 

『竹富方言辞典』を推薦する


 待望久しかった前新透著『竹富方言辞典』(編著:波照間永吉、高嶺方祐、入里照男)が出版された。本文編が1560ページに及ぶ大著である。本辞典は、消滅の危機に瀕した竹富方言の実情を憂い、その再生と保存継承を願って、著者前新透氏(大正十三年生)が母語とする竹富方言を四半世紀の長きに渉って内省記録し、更に島の古老を訪ね回って語彙を収集し、先行文献を博捜して採録した語彙集に、編著者等が補筆修正して完成させた優れた方言辞典である。『竹富方言辞典』は竹富島を愛する人々の「うつぐみ」精神によって世界に誇るべき竹富文化の至宝となった。
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2011年1月18日
沖縄県立芸術大学名誉教授  加治工 真市

「方言、消えないで」  「竹富方言辞典」を発刊へ


 竹富島出身の元小学校校長、前新透さん(86)が来月、竹富島の言葉1万7710語を収録した「竹富方言辞典」を発刊することになった。B5判、1560ページの大著。教員退職後、20年以上かけてノート約40冊に書き留めてきた約2万語の竹富の言葉を専門家の協力で辞典に編集したもので、前新さんは「多くの人に利用してもらい、方言が消えないようにしてほしい」と願う。
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2011年2月3日
八重山毎日新聞

「竹富の言葉絶やすまい」


 「大切な竹富の言葉を消してはいけない」。その一心で、竹富島出身の前新透さん(86)=石垣市=が、教員退職後26年かけて「竹富方言辞典」を完成させた。2月下旬、日本最南端出版社「南山舎」(石垣市)から発売される。島を思い皆で協力する竹富島の方言「うつぐみ」の心のように、多くの人の協力で完成した辞典に、前新さんは「大いに利用してもらい、竹富方言を絶やさないでほしい」と願いを託している。
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2011年2月11日
琉球新報

竹富方言の特異性を明らかにした「竹富方言辞典」


 前新透著の「竹富方言辞典」が波照間永吉、高嶺方祐、入里照男氏をはじめとする関係者各位の協力によって発刊された。八重山方言に関心を持つ一人として感動を覚える。
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石垣 繁(沖縄言語研究センター研究運営委員)

生活に近い辞典


 北国の地震と津波、それに東電原発の人災等々、落ち着き所をいまだ探さねばならぬ人・人心、――心を痛めるときであれば、八重山ファンとしては琉球列島中最南端に位置する八重山群島のうち、竹富島の、明和の大津波を想起したのは自然であった。
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しもじま・てつろう(ノンフィクション作家)

最多語彙数の方言辞典


  版元の宣伝文句ではないが、まさに「小さな島の大きな辞典」である。収録項目一万七千七百、過去に出版された琉球方言辞典の中で、最も多い収録語彙である。
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三木 建(ジャーナリスト )

知的空間の大きさ知る


 私たちは一つの大きな宝を手にすることになった。本書は竹富島だけでなく、琉球列島の人々にとってもかけがえのない財産である。竹富島は小さな島である。しかし、本書を手に取ると、竹富島の人々の知的空間の広がりの大きさを知ることができる。
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狩俣 繁久(琉球大学教授)
 

 
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