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南山舎やいま文化大賞について

第3回「南山舎やいま文化大賞」受賞作品発表


「八重山の染織――手仕事に生きる人びと――」

安本 千夏(やすもと ちか)
1965年6月生まれ。東京都出身。1986年、青山学院女子短期大学児童教育専攻科卒業。幼稚園教諭、保育士を経て1998年に西表島に移住、2000年に同島大富に家をつくる。八重山ミンサー後継者育成事業修了後、竹富町織物事業協同組合員となる。著書『潮を開く舟サバニ』(南山舎)、共著『ミンサー全書』(編集、発行「あざみ屋・ミンサー記念事業」委員会)。2008年から2013年まで京都の『染織情報α』(染織と生活社)に「八重山通信」を執筆。現在は石垣島大浜で夫と娘と暮らす。

【本稿の構成】
 17の人と団体からの聞書きを中心として、八重山の染織について報告した本論部と、「資料編」からなる。本論部で取り上げられた人と団体は次のとおり。大谷キヨ(西表島)、大陝々襦弊亞静隋法仲盛トミ・花城キミ(小浜)、森 伸子(石垣島)、内盛スミ(竹富島)、石垣昭子(西表島)、新 絹枝(石垣島)、慶田盛英子(小浜島)、角田麗子(与那国島)、島仲由美子・古澤やよい(竹富島)、崎原 毅(石垣島)、請花裕子(与那国島)、寄合 富(鳩間島)、桃原 民(西表島)、八重山上布石垣市織物事業共同組合(石垣島)、戸眞伊 擴(石垣島)。八重山の染織について語るに相応しい顔ぶれである。著者は、これらの人びとの作業の現場を訪ね、その技術と人生の歩みを聞き出し、記録した。各人の語る言葉は、何気ない言葉でありながら、八重山の染織文化の真髄と人のあるべき姿を捉えて、胸を打つ。
 これらの文章は、『月刊やいま』(南山舎)に連載した「八重山の染織」(2007年〜2009年)、『染織α』(染織と生活社)に連載した「八重山通信」(2013年まで)に加筆修正したものという。そのこともあって、個々の文章は完成度の高いものとなっている。
 「資料編」には「八重山の主な植物染料」「糸素材」「織物用具」「八重山の主な織物」「織物のできるまで(竹富島のミンサーフ工程記録)」からなっている。いずれも写真が多用され、読者の理解を助けるように工夫されている。この「資料編」の一部は『ミンサー全書』(2009年)の「技法とデザイン」に加筆・修正を加えたものである。


【本稿のテーマ・目的と方法、そして評価】
 本稿は、八重山の染織文化について語った上質のエッセイ集である。八重山の染織に関わる上記の16名の人物と一つの団体、合計17の人びとと団体を訪ねて、八重山の染織文化の真髄を発見しようとする著者の営みの報告と言ってよいだろう。取り上げられた人々・団体は、八重山地域ではいずれもその道においてよく知られた人びとである。著者がこれらの人びとを訪ねた地域は波照間と黒島を除く八重山の多くの島々に及んでいる。
  島々に住み、その地に息づく染織の技術を身に付け、あるいは生活のたつきとし、あるいは愛する家族のために、黙々と機に向かった人びと。これらの人びとの語る一言一言は実に含蓄に富んでいる。著者は、長時間に及んだであろうインタビュー(あるいは、日常的な付き合いの中)で語られたであろう多くの言葉の中から、これらの珠玉の言葉を的確に掬い出し、八重山の染織文化の本質を語らせている。こうして著者によって書き留められた言葉群は、八重山の染織文化の本質を見事に表現するものである。なにげない言葉の中に人生が語られ、そして、人が生きていくということの意味をも考えさせる。その意味で、八重山人の生活の伝統を教えてくれる報告ともなっている。
  八重山の染織を訪ねる著者の行為は、実は、著者の八重山の風土と文化、人びとの生活の姿を訪ねる旅でありながら、また、自分探しの旅でもあったと思われる。八重山の染織文化にふれるための行脚は、まるごと八重山の人びとの懐に飛び込むことでもあったようだ。著者自身が、この旅・仕事の中で再生していく姿がうかがえる著作となっている。
  これらより、本書を八重山の染織文化、そしてその技と命を受け継いできた人々と八重山の風土と暮らしを伝える良質のエッセイ集として高く評価するものである。上記のとおり、著者がひき出してきた人々の言葉は、見事に八重山の染織文化の本質を語っているといえる。そして、これらの人びとの自らの人生の歩みを語る言葉は、難しい哲学の言葉よりも、人が生きることとはどういうことかをしっかりと伝えてくれているように思う。八重山の女性たちのライフヒストリーの趣も呈していて、読者の興味をそらさない。その意味でも本稿は八重山人の生活と文化の全体を伝える著作として評価できるだろう。
なお、表題、章立て(登場人物の掲載順序)については、検討すべき部分があるように思われる。内容の部分について、著者が自ら携わる染織の実践の部分で体験した困難、そしてそれを解決していく道程、染や織りの中で「ものが生まれてくる」場面での感動、八重山の染織と経済の問題などについて、さらに追求して欲しいという指摘もあった。これについては今後に期待したい。また、方言使用(八重山語と沖縄語の混同・混用、表記の規範性)や同一修飾語の繰り返し使用など、表現上の問題点も指摘される。「資料編」の扱いについても再考の必要があるのではないか、との指摘があったことも付言しておきたい。     
 本選考委員会では、この著作がこれらの改善すべき点は有しながらも八重山の染織文化と八重山人の生活を生き生きと描き出した優れたものである、と高く評価した。よって、本著作を第3回「やいま文化大賞」大賞作として決定した。


第4回「南山舎やいま文化大賞」募集要項


 

受賞作品発表

過去の受賞作品についてはこちらからご覧いただけます。
>第1回「南山舎やいま文化大賞」受賞作品発表
>第2回「南山舎やいま文化大賞」受賞作品発表


 
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