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トップ  >  はいの晄の八重山  >  光ばぁちゃんの昔がたり 第5話|はいの晄の八重山

光ばあちゃんの昔がたり 第5話

第5話 ユンタのこと、島ムニのこと
田草とるときなんか、コレ(ユンタ)がなかったら、はあ、腰が痛くて…

 性格だね。馬に乗ったら、タッカ、タッカとは歩ききれんさ、これがまた(笑)。

 カパッ、カパッでないとね。気持ちがいいもんね。

 田んぼに行くときよ、登野城のじいさんなんかが馬に乗ってゆっくり歩いているでしょ。

 私がパカッ、パカッと近くから追い抜いて行ったら、じいさんの馬が驚いて、じいさんは「シィ、シィ、ドウ、ドウ」と馬を鎮めるのに大変さ。

 ちょうど田草とりの時分は馬の毛が抜ける時で、アンツクの中に馬の毛が入って、もう大変。

 茹でてビジャーけた(潰れた)お芋が毛だらけになるわけさ。

 じいさんなんかはよくわかっているから(馬を)ゆっくりゆっくり歩かすけど、私はかまわんさ。

 昼になったら、あんまり毛がひどいところを除いて置いて、他の部分を川の水でちょこちょこ洗って食べるわけさ。

 ところが、さあ、夕方になって馬の草を刈って帰るときのひもじさよ。

 毛ィもみんな食べてる。

 これ、食べられない、と置いた芋よ、夕方は、取って食べてる。

 だけど、今日までどこからも毛ィ生えてこないさ(笑)。

 私は農業が好きだったから、一生懸命やった。

 田んぼは、名蔵ニシタラジの、宮良病院の田んぼを借り、他の人の田んぼも借り…。

 良い田んぼだったぁ。

 田んぼ、畑の往き復りは馬で行ったけど、他人を頼むときは弁当とかお茶とかもいるでしょ、バケツもないといかんから、だからその時は馬車でないとならんでしょ。

 手伝いに行く人を馬車に乗せて連れていったさ。

 田草とるときはウチの田んぼは賑やかだからよ、みんな行きたくする。

 朝から夕方までユンタするからさ。

 私は(ユンタ)好きだからね。したたか好き。

 今でも起きたら、お茶道しながらでも歌がでるさ。必ず出る。

 田草とるときはよ、着物交換して下りたら、すぐ「ゆんたしょーら」から始まる。

 田草とるときなんか、コレがなかったら、はあ、腰が痛くて、田んぼはこっちからあっちまで遠いでしょ、ものも言わんで? はあ、大変さ。

 田草でなくてサトウキビの時でも、「サー、ユンタしょーら、ヒーハーヒ…」と調子に合わして鎌を使うわけ。

 面白いさ。とっても好きであるわけさ。仕事がはかどる。

 種をこっちに投げる。馬の草牛の草になるものをこっちに置いて、サトウキビ長いでしょ、上を切って、中程をつかまえて切って、また下をつかまえて…。

 面白いよ。また、早いからね私は。はあ、店では歌わないさ。

 ユンタはウチのばあちゃん(姑)から習った。

 雨の時なんか、縁側でよ、仕事やりながらばあちゃんから習ったさ。

 たくさん知って上手であったよ。

 長田のじいさんから習い、シームリヤーの歌の上手なばあちゃんから習い…、でも、今は田んぼも家造りも機械でがやるでしょ。

 あの時はみんな人がやったからユンタ歌ったさ。

 でも今は必要ない。だから、なくなるんでない? ぜんぜんダメね。

 以前、ユンタ会というのがあって、フッチャ(長兄)もナカッチャ(次兄)も私も入っていたけど、もうふたりとも死んで亡いさ。

「あさど屋」とか「でんさ節」とかは童のおもちゃみたようにあるね。

 やっぱり歳とったら、重いユンタがいいですね。

 ある年の豊年祭で「雨乞い」の踊りを出したら、「大川の誰が雨乞いの歌わかったのかねえ」と新川の神司のばあちゃんなんか珍しくしていたそうですよ。

 方言もみんなできなくなってきたね。

 市民会館の落成式のときに、方言で祝いの言葉しなさい、ということであったさ。

 方言で祝いを、となったときに、宮城文先生が、これは本名さんでないと、と推薦してくれたようですね。

「うーとーとぅ、今日ぬ良かる日につなんが、市民会館ゆ作り上げたぼうれ…」

 やいま方言どぅやそうら、昔から使ってるのに。

 ゲートボールの時でも、選手宣誓なんかになったら、

「本名かいしみーれ(本名にさせれ)本名かいしみーれ!」

「ええ、本名、本名で、わだぁ何うれ。是れぇ、女ぬどぅ言んく? 男ぬどぅ言んくびきやそんが」
(本名、本名って、あんたたち何さ。これは女が言うの? 男が言うべきでしょ)

「男、言んきぶさぬ(言えない)。わーどぅ(あんたが)是ぬクジ当たりる」

「誰どぅ是ぬクジ引くだ?」

「信幸さんどぅ引くだ!」大笑いよ。

 ある時なんか、「本日は…」と言ったら、「ああー」と声がする。

「何ーれ?」と言ったら、「方言、方言!」でどぅ言んくはや。

「はい、今日やゲートボールどぅあるんでぃき、ちゅじゅーく、嬉にしゃんゆー…」
(今日はゲートボールがあるというのでとっても嬉しいです…)

 市民会館の落成式のあと、

「誰があんなにやいま方言でやったか」ということになって、白玉さんが、「本名さ」と答えたら、

「大変ん心臓さーら」

「是りぬ心臓やむーる毛ィ萌やーどぅうる」
(あれの心臓は、みんな毛が生えてるさ)

 ゲートボールで一緒だけど、あの人はまた冗談者ーでよ。

「此処ぁ、何ーしどぅうれ?」

「此処ゆ、めーひん萌やーどぅうる」(此処? もっと萌えてるさ)

「ゲートボール中止! 中止!」

 もう誰の番かもわからなくなってよ(笑)。

 方言で選手宣誓、と新聞に出たからよ、「習ぁしょうり(教えて下さい)、習ぁしょうり」とたくさん来たけど、最近は方言も、なかなか、ら。

 先生達ざー言んこうらん(先生達さえ言えなくなった)。

 島ムニ(方言)といえば、選挙の演説なんか、はあ、島ムニでやるから、「本名の島ムニ聞きどぅきらり」と言ってみんな集まってくれたよ。

 ウイピトゥ(老人)はヤマトグチ分かろーるんて(分からないさ)。

 ウイピトゥにわかるように島ムニで話すわけさ。

 主人(松助)が死んで、いっとき三線も習いにいっていた。

 一竿は先生の家に、一竿は家に置いて練習していたさ。

 みんなと一緒に練習してある程度弾けるようになって楽しかったけど、だけど教師になるわけでもないし、これくらい弾ければいいでない、といって行かなくなったのが、村のこと、人のことやってるうちに、ちゅらーく忘けーねーんばん(すっかり忘れてしまった)

 


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