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秋雄おじいの昔語り 第3話

第3話 マラリアの山中で
「田んぼのウナギを捕るときは、鋸の裏でですね、パンと1回打つんですね。真ん中あたり…」

タンパク質

バンナ岳から見た嵩田地区
バンナ岳から見た嵩田地区
 台湾の人は、鶏は養う、アヒルは養う、豚は養う…。豚は設備が必要ですが、鶏やアヒルは簡単ですよね。放し飼いにして、雌を入れておけば繁殖しますからね。
そういうふうにしてタンパク質とか充分栄養を摂っているんですよね。だから、マラリア罹っても負けないんですよ。もちろん罹ることは罹ります。2日熱と3日熱とあるんですが、しかし震え終わったらまた畑に行く。地元の人は、太陽がまだ高いうちから(畑から)すぐ帰っていくんですよ。暗くなったら、蚊に刺されたらダメだと言って。そしてだいたいマラリアに罹ったら亡くなるものと思っていたけど、台湾の人はびくともしない。
川にはエビがおる、貝がおる、蟹がおる、こんなにガサミは捕れる。蛤ももうこんなですよ。もう、したたか居る。車もない、担がないといけないでしょ、もう、持って帰るのが大変なくらい。田んぼ行けば、ウナギがひとつの舛に何10匹も捕れるしね。はい。面白いね。台湾の方がマラリアに耐えられたのは、やっぱり、この自然じゃないかなと思いますね。
学校行くまでにこんなに震えるわけですよ。たまには教室でもこんなにしてね。震えて終わったらまたすぐ平気で帰ってくる。毎日ですよ。もう、生活の一部になっているんです。こんなに蚊がおるからね、汚染されていない人はいないですよ。はい。
熱が上がったときに地元の人は冷や水で頭を冷やすけれども、台湾の人は逆に熱いもので発散させる。冷や水でやると、徹底的に冷やしきれなかったら命取りですよね。昔は水道もないけど、ずーっと冷やし続けないといけない。毛細血管が締まったら、生水を吸収して悪くなるので、だから発散させたら元気になる。台湾の人でマラリアで亡くなった人はいないし、ハブに咬まれて死んだという人も聞いたことがない。ハブに咬まれて1日ぐらい休む人もいるけれど、だいたい翌日には仕事をしているよ。
ハブに咬まれたら、血を絞り出して、そこらへんにある青草(できればタンポポとかが良い。水分の多いもの)を口で噛んでその汁を塗りつけるんですよ。唾の辛さもいいんじゃないでしょうかね。傷口に口は付けない。血を絞って、水で洗って、血が出なくなるまでやる。死んだ人いない。また、そんなに怖がる人もいない。 

ウナギ捕り

捕まえた大ウナギと福本さん
捕まえた大ウナギと福本さん

 長らく干魃で、夕立降るでしょ、その晩は鋸もって田んぼに行くんですよ。ウナギを捕りに。もう、こんなです。はい。いつ行っても出るわけではないですよ。長らく雨がなくて、その晩かなりの雨が降ったときに、雨水に誘われて出てくるんですよ。あるだけ出てくるもんだから、それを見計らってね。
鋸の歯は使わない。裏でですね、パンと1回打つんですね、真ん中あたり。打ったら神経が麻痺するから。アレ、鋸の歯でやると、ふたつに切れたりしたら捜されない。片っ方だけだと縁起が悪いといってね、もう一方を一生懸命捜さなければいけないですからね。絶対切れないようにして、パンと打ったら手早く取って籠に入れちゃうんですよ。しかし素人ではこの技術は難しいでしょうね。太いのはパンッ、パンッと2回。すぐに籠に入れないと逃げられますからね。
田んぼの畦にも中にも、ひっくり返っているのもおれば、もう、お腹いっぱい食って寝ているのもおるし。 12時ごろになると寝ているんですよ。
月夜の晩はよくない。出てもすぐ逃げていったりする。潜ったりしてね。なるべくは闇夜に。明かりは、ガス灯(カーバイト)を使います。大事にして。片手にガス灯持って、もう片方の手に鋸持って、背中に籠を背負って。明かりで照らされてもしばらくは動かないです。月夜で全面明るかったら驚くかも知らんが、やっぱり眩しいからね、急には逃げない。迷うんでしょうね。
どの田んぼにウナギがいるかはもう把握している。ひとつの畦を越えたらもういない。
川から水を引いている田んぼはもうまちがいないですよ。そういうつながりのない田んぼはいくら深田でもダメですね。海の水と川の水が合流したそのあたりに棲みついているウナギが雨降りには登ってきて近くの田んぼに集まるわけです。はい。山手に棲みついているウナギは数は少ない。湿地帯で、そういう汽水域から上がってくるのが多いですね。
また、小エビなど餌になるようなものの多い川の近くがいい。深田。水が常に切れない田んぼ。そういうことを分かる人は短時間でウナギをたくさん捕るけれども、素人はいくらまわっても捕りきれない。いっぱいある田んぼの中でも、ウナギがたくさんいる田んぼは何枚かしかないんですよね。
田んぼから田んぼに移るときに、ウナギはかなりの高さまで登りますよ。水さえあれば。こう、尻尾で登るんです。頭から登るのではなく、尻尾から登るんです。尻尾が強いんですね。潜るのもだいたい尻尾から行くんですよね。差し込んでいくんです。
条件のいい日に行くと、だいたい20〜30匹は捕りましたよ。4、5斤の大きいのもたまにいます。そんな大きいのを見つけたときはすぐ田んぼの水の捌け口に行って待ちます。ここ以外には逃げ道ないですからね。向こうから泳いでくると、ガス灯を口にくわえてですね、両手でないとダメです。そしてこんな大物の時には鋸の歯をつかう。鋸の歯で引っかけて水のない陸のほうに投げるんです。それから頭をメッチャクチャ打たんと絶対捕れない。
昔の川は非常にキレかったですよね。水も透き通って。バッテリーでウナギを捕るときはですね。エビの数が少ないとか、大きいのがあまりいないとかなると、要注意ですよね。この辺の石の穴に、5斤とか10斤くらいのでっかいウナギが隠れているんですよ。コレ、このへんの掃除をするんですよ。ひと晩で4、5キロ食っちゃうからね。ちょっと考えられないけど、昼はまったく水がない陸の上に寝てるんですよ。
捕ったウナギで一番大きいのは23斤だったですね。太さ20センチくらい、長さが2メートル余りありましたね。はい。これを捕ったときは、オートバイで引っ張ってですね。大変でしたよ。はい。
ウナギはぶつ切りにしてお汁にして食べたり、どんなにして食べてもウナギはうまいですよ。箸でつかんだら崩れるくらいに煮込んだらおいしいですね。ショウガと醤油で、あまりダシは入れないで。
余ったものは甕の中に塩漬けにして保存する。1年も2年もほんとに溶けそうになるまで。塩漬けしたものを食べるときは洗って焼くんですよ。おいしいですよ。お芋と食べるとおいしいですよ。ハラワタ(腸)は食べないですが、5斤以上のウナギの胃袋は食べる。コリコリしておいしいですよ。ニラとかショウガとかで炒める。
ウナギ、スッポン(もともと台湾から入れたのが繁殖したらしい)、ハブも食べました。ハブはたいてい火であぶったり、焼いたりして。ヤマシシは鉄砲で。仕掛けで年間40〜50頭捕る人もいました。
自然と土地は、世の中がどう変わろうが、人間が生活していく基本ですね。パソコンとか何とか普及してね、それ、みんな金になっているかわからないけど、もし電気ひとつ切れた場合、どうなるでしょうかね。
根本、基本。どっちに転んでも生きていけるようにね、何かにたらい回しされるようにではなくて、それを全うしていかないとですね…。はい。

 


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