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三人兄弟

米屋陽一(日本民話の会会員)
八重山民話「三人兄弟」

むかし、あるところに夫婦がおったところが、子どもが男の子が三名できてるわけですね、長男、二男、三男と。そしてお母さんは早めに亡くなって、お父さんのひとり手で三名の息子を育てたわけ。そして、みんな三名とも嫁を迎えるころになってきた。そして嫁をみんな迎えたわけ。結婚して分家してたわけですよね。

そしたらおやじがね、八十の坂も越えて老衰になって、やぶ医者にあたったら、「ああ、あんたの病気はね、女の子どものおっぱい、あれを食べればあと何年間は長命する」っていうことをいわれたそうです。
それでね、おやじは眠っておって考えたわけ、自分は資産も全部子どもにくれてやると。だけど、自分の子どもを養いつつたくわえた宝物がいっぱいあるわけ。それをどこかに隠してある。そのために、自分はこれだけの男の子が三人いるけど、だれにこの宝物をくれるかと考えたわけですね。そしたら、一番親孝行者にやろうと思ったわけですよ。どうして子どもをためしてみようか、このおやじは考えてるわけですよ。

そしてね、老衰になって眠っているでしょ、三名の息子を自分の枕元に呼んだわけ、「実はね、自分はこうして病気で寝ているけど、やぶ医者はね、女の子どものおっぱいを食べればあと何年は長命していけるというてるけどね、ひとりひとりの子どもを犠牲にして、自分を助けてくれないか」と長男の方に頼んだわけですよ。この三名の息子には乳のみ子が三名ともおるわけですよ。 
したら、長男の方はね、「お父さん、何をいうのか。お父さんはもう八十の坂も越えて、やがてあの世に行く人なのに、今生まれている子どもは、どんな将来、どういうことが出てくるかわからんのに、子どもとお父さんと替えることはできない」と断ったわけ。そしたら、お父さんは「そうか、それじゃいい」と。

そして、「二男の方はどう考えるか」と、二男に聞いたわけ。二男は「やっぱり今兄さんがいうた通り、もうお父さんはこの世を去る人である」というたもんだから、「そうか、それじゃ三男はどう思うか」って。
三男はずっとうつむいて返事もしない、ものもいわない。「そうか、おまえ返事もできないのか、なんとかいってごらん」というたら、三男、ぽっと頭をあげて、「よっしゃ、自分がやろう。自分は若い、奥さんも若いから生みなおせることができる。だけど、お父さんはまたと拝めないから、自分の子どもをひとりくらいは犠牲にしてもおやじを助けよう」となったわけよ。
「それじゃ、本当にわたしを助けてくれるということならね、あんたの子どもは村のうしろに、森の中にね、お墓を造るようにちゃんと自分が伐採して準備してあるから、こっちに埋めなさい。そして、あんたの子どものおっぱいを私に食べさせてね、長命させてくれ」と頼んだわけ。

そして、「よし、やろう」と。家へ帰って自分の奥さんにいうたら、奥さんも「よろしい、いいでしょう」と、「ふたりは若いから、生みなおすことはできる」と。そして「お父さんを助けような」っていって。
夜になったもんだから、主人はクワをかついで、嫁さんは子どもをだいて山へと、お父さんがいうたところへ行ったわけですよ。行ってね、穴掘って子どもを埋めようとして、主人がクワで掘ってる。掘ったところコツンとものがかかるもんだから、「あれ、なにがかかっているか」とさわってみたら、大きなツボがあるらしいわ。「あれっ、このツボなんだろう」とふたを開けて手をつっこんでみたら、いろいろな宝物があるらしい。(略)
おやじが「よろしい、おまえは真からの親孝行である。しかし、自分は自分のせっかくの孫を犠牲にしてまで生きながらえようとはしない。子どもたちの、おまえたちの心をためすためにそういうこというたよ」と。(略)「この宝物をあんたにやるから、これで立派に成功していきなさい」と。で、三男坊が親の宝物をいただいて成功していったと。


>熊谷溢夫著『美しい自然があるからみんな元気で生きられる。』
>熊谷溢夫の切り絵・ポストカード

(情報やいま1999年11月号より)

 


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