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ものいう牛(上)

米屋陽一(日本民話の会会員)
ものいう牛(上)

 沖縄の話ではね、この国頭からよ、那覇に首里によ、奉公しによ、来て、首里の王さまのところでね、働いてよ。みんなお正月だから、家に帰って行って、またお正月をすましてね、また来るようにといって、詰めて貰ったらしい。それがね、みんなこの牛の肉や豚の肉とか鶏とか、そういうものをおみやげによ、王さまからあげたらしい。一人はね、「牛の声」というだけをね、これだけをね、くれたらしい。
 くれたからよう、これを国頭の人でよう、このあれから沖縄をおりてね、今の嘉手納から、ここの下におりて、行くときにね、これなんというところかね、そこに行ったらよう牛がね、牛がおったらしい、やせた牛が。それだから行っておったので、やせた牛がその中におったので。この牛がね、「ああ、ヌシさん、ちょっとね、私をね、飼い主がわたくしを使ってね、わたくしで田んぼを畑をすいてね、農作物を作ってね、こんなにある家に奉公しましたがよ、わたくしを連れてきてね、しばったまんま縄をつけてね、しばったまんまね、まったく草もくれない、水も飲まさないから、あなたがね、ひとつこの近くにこの水が湧くところがあるから、そこから水を汲んできて飲ましてもらえませんか」 と牛が話したらよう、「ああそうか、それじゃあ、あんたね、食べ物も食べない、水も飲まないでは、こんなにやっておったらよう、やりましょう」といってよう、このクバの葉によ、水をすくってね、水持ってきてあげたところがね、「はあ、ありがとう、あなたのおかげでよ、ほんとに助かりました。わたくしはね、あの家によ、今晩ね、あの家にいらっしゃい、泊まってね、夜も遅くなってるんだから、国頭まではたいへんだから、もうあんたはこの家に泊まってね、いきなさい」って。
「実は、あんたの牛がね、水も飲ませないよ、あなた自身がこんなに使われておったんだがよう、わたくしはしばったまんまだよう、草もくれない、水も飲ませない、死ぬことになっておるんだから、自分に水を飲ましてくれってゆってね、ゆったらうちが飲ましてあげたから、今晩はね、必ずあんたは家によ、そいじゃあ泊まりなさいと牛がいったので、来ましたから、今晩は泊めてもらえませんか」 といったらよう、「牛がものいうものか、あなたはうそだ、泊まらさん」 といったからよう、(略)
「それじゃあね、あなたがこんなによ、わたくしを嫌っておるんならばね、あの牛を連れてきてね、ものいうたらあんたはどんなに、それじゃあ、賭けやろう」
ということで、「あの牛をわたくしが行って連れてくるから、あの牛がものいうたら、あんたはわたくしにどうしますか」
と。「それじゃあ、わたくしの財産みんなあげていい」と。
またね、「あの牛がものをいわなければね、あなたはどうする」 「わたくしは、一生涯ね、あなたの下男扱いやられてもいいから約束しよう」というてよ、それで賭けやってね。
(続く)


>熊谷溢夫著『美しい自然があるからみんな元気で生きられる。』
>熊谷溢夫の切り絵・ポストカード

>ものいう牛(下)


 


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