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ものいう牛(下)

米屋陽一(日本民話の会会員)
>ものいう牛(上)
ものいう牛(下)

  そいじゃあ、あの牛に水を飲ましたものが行ってね、牛を連れて来たらよう、この飼い主はね、この牛のいうか、やんのに、あんたこれ、うそいうこといったらよう、あのヌシが、
「いやあ、必ずものいうんだから」
ということで、牛によ、
「あなたの牛をね、ひじょうにわたくしに反抗しておるから、賭けをしてるんだから、ぜひあなたものいうて、わたくしにゆうて、水を飲ましてといったんだから水も飲まし、また今晩はこっちに泊まれとおっしゃったから、わたくしは来て泊まってるんだからよう、無理ゆうてくれ」
っていったから、
「ものいうてねえ、あなたはわたくしを使ってね、こんなに草もくれない水も飲まされないし、死ぬようになっておったんだがよう、あの人がいらっしゃって水を飲ましてくれたためによう、わたくしは生きて、危険を送ってきたからよう」
って。
 それでねえ、あの飼い主は負けて、あの牛の飼い主の財産はみんなとってね、金持ちになったらしい。金持ちになっておったらよう、あの牛がね、ひじょうに利口でよ、自分を助けて、こんなに水を飲ましてくれたから、ということでね、こんどはまた、あの自分に飲ました水を飲ましてもらった人によ、こんどはね、闘牛をお願いしてよ、
「わたくしを闘牛に出してくれ」
って。
「必ずわたくしは、牛がゆうただからよう、あなたはこんなに水も飲まない、ものも食べんでこんなにやせておるのによ、あなたは勝つ見込みがないからよう、こんなに闘牛をやれというんだがよう、あんたは闘牛というのは肥えた牛が来てやるんだから、あんたはすぐ死ぬんだよ、こんなことはやめた方がいいじゃない」
と。
「いやあ、必ずやる」
っていった。それと、
「恩返しによ、必ず勝ってみせるから」
ということで、行って闘牛の牛見てよ、牛をこんなに。
「わたくしが連れて来てるから、自分も闘牛を出してくれって、お願いしなさい」
といったからよう、
「それじゃあ、もう負けても勝ってもやりましょう」
といって、闘牛に行ってよう、連れていったらよう、みんなは、
「こんなやせた牛を連れてきてねえ、闘牛するっていうのは、馬鹿らしい」
といってね、みんな笑ってね、おりましたんだがよ。
 あの牛をね、自分にはこの頭によ、なにかを作ってね、シシの形かなにかを作ってね、自分も頭に、やせた牛によ、かぶせといて。かぶしてよう、やったところが、あちらでもねえ、また賭けをするねえ、
「万が一よう、負けたらどうするか」
といったからよう、闘牛の牛よう、あれの財産がね、
「みんなあげてもいい」
とまた約束してね、やったところがね、あれにシシの形二つを作ったものだからよう、あの相手の牛は驚いてね、負けたらしい。
 それでね、あのやせた牛が勝ってね、あれのまた財産もみんなとってね、もうみごとな金持ちになったというね、ああいうお話なんかもありますよ。


>熊谷溢夫著『美しい自然があるからみんな元気で生きられる。』
>熊谷溢夫の切り絵・ポストカード


 


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