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祖納家の祭にくっきり-宮廷御神楽ともつながるもの

文=米城惠
祖納家の祭にくっきり-宮廷御神楽ともつながるもの

昔、野原家の祖先が山中にいた黒い怪物(牛)を取り押え、家畜として農耕に利用し、島人もそれに倣った。また、野原家の牛馬の繁殖が際立って良かったため、それにあやかろうとみんなが同家の「うちにがいびでぃり」(牛馬繁殖を祈願する霊石)を、拝みの対象とするようになった。
  これが「うらまちり」(浦祭)の由来である。
  この日、祭場で祈願を行った神女たちは、「すな」(祖納家)に招かれる。
  祖納家では、神女一人ひとりを門外で迎え、天婦羅と酒盃、ついで前庭に導いて「かんヌいゆ」を一尾ずつ差し上げる。
「かんヌいゆ」は神の魚、であろう。はらんだものが選ばれることから、繁殖の願いがこもっているものと思われる。
  一九七五年のそのとき、当家の主人は二番座で、ごちそうを大皿いっぱいに盛り上げた「ちんむり」を横に羽織袴で正座し、女主人の大嶺ンメは伝来の神器のまつられている神棚の前にいた。この神棚は西向きで与那国の拝処の総本山ともいうべき十山拝処を遥拝するという。
  座敷で「かぎやで風」が歌われ、「すー」(長命草の酢味噌あえ)と神酒を皮切りに神女や公民館長らの接待がひととおり終る。トン、トン、トンとテンポの速い「とぅんぬん」(太鼓)が鳴る。すると、女主人は棚から神器をとり、饗宴の前庭に出、女主人と関係者の刀と槍の合戦の舞い、鎌の舞いなどが演じられる。
  この舞いに「宮廷御神楽の採物歌、出雲系神楽の採物舞とも関連を持つ」と述べ、「その古風な形のものが、どうしてこの与那国島に伝えられているのであろうかと、しばし呆然たらざるを得なかった」と記したのは本田安次(芸能民俗学、元・早稲田大学教授)である。
  これはほんの一例だ。
「すな」(祖納家)のほか、「うまた」(大俣家)、「ぬっか」(野底家)、「かなんか」(金城家)、「なぶが」(長若/久部良家)、「どぅなんばら」(与那原家)、「たじま」(田島家)、「くちま」(後間家)、「まいだぎゃ」(前竹家)、「とぅまい」(泊家)、「うぶや」(大屋家)など、冬の「むらまちり」(村祭)の期間中、「玉はてぃ」という採物舞いをふくむ独自の祭事を行う家庭が多かった。
  折口信夫は宮廷御神楽の採物には榊のほかに幣、杖、篠、弓、剣、鉾、柄杓、葛がある、と語り、『採物を持つということは、ただの人でなく神としての標であるということです』と指摘している(「日本藝能史六講」)。


 


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