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トップ  >  コラムちゃんぷる〜  >  八重山全般  >  仲筋村伝統芸能継承の碑|八重山コラムちゃんぷる〜

仲筋村伝統芸能継承の碑

文=飯田泰彦

 竹富島種子取祭の芸能は質・量に優れるが、それは玻座間村と仲筋村の対抗意識から生れたといえるかもしれない。両村は共に伝統芸能を基盤とする中、互いに芸風を意識しながら、切磋琢磨してきた。その結果、玻座間村は戦後に近代演劇を積極的に導入し、仲筋村は古典的な芸能を得意とする傾向が顕著となった。
そんな中、仲筋村はハニヤ御嶽の境内に「仲筋村伝統芸能継承の碑」を建立し芸能継承の気概を示した(1999年)。この碑には「あぶじ狂言」「種子蒔き狂言」「天人狂言」「はる屋の願い」「組踊り父子忠臣」「スル掬い狂言」「タナドウ屋狂言」「いも掘り狂言」「たこ捕り狂言」「鬼狂言」の10狂言と、「タノリャー」「八人踊り」「サングルロ」「仲筋のヌベマ」「マミドー」「腕棒」の6舞踊の演題が刻まれている。
「あぶじ狂言」「種子蒔き狂言」「天人狂言」は、祈りの心を表現した儀礼的な狂言で、意図的に種子取祭のプログラムに仕組まれ奉納芸能の核となっている。例えば、「種子蒔き狂言」は劇中で「神酒ヌ飾口」が台詞として唱えられる。これは神ツカサが唱える願口と大きく重なるので、村人はこの狂言を通じて種子取のテーマを再確認することができる。
 舞踊六題も種子取祭ではお馴染みだが、なかでも「タノリャー」は粟の播種が優美に舞踊化され種子取祭を象徴している。
 なかには沖縄本島由来の組踊「父子忠臣」もあるがこれも誇り高く伝承されている。特に福地大主と臣下が登場する時の寄足は見物である。寄足は軍勢の示威行進を表す足使いの型だが、威勢よい歩みに演者の誇りが感じられる。また、小浜島の古謡をテンポアップし農作業の所作を採り入れて舞踊化した「マミドー」もある。いずれも外来の芸能を受容しながら、わが村の芸能に仕立て磨きあげている。
 今ここで注目したい狂言に「はる屋の願い」がある。種子取祭の日に、米須親雲上が妻・アヤーと畑小屋へ行き、そこで「畑屋の願い」を行う。その道中、猿引き(猿回し)が現れ、猿が踊りを披露することから、竹富島では「猿狂言」とも称している。
 ほのぼのとした夫婦愛の感じられるこの狂言は、猿引きが登場する点で、よく組踊「花売の縁」の影響を受けたものとして紹介される。しかし、「はる屋の願い」は種子取の祈願を主題とし、猿の芸づくしを中心に据えて種子取祭に相応しい芸能に仕立てたといえる。
 猿の踊りを見た米須親雲上は「今日ぬ願やいー願し、猿までぃ踊らしゃい、御願さくとぅ、来年や今年に勝てぃ、いー世果報賜らりる事さなー」(今日の祈願はいい願いでした、猿までも踊らせて願いもしたので、来年の作物は今年以上の豊作を賜るでしょう)という。このことは、とりもなおさず猿の踊り(芸能)も神への供物であることを意味している。 
 また、威厳のある米須親雲上がアヤーにどんでん返しを食らう最後の場面はこの狂言の生命でもあろう。《浮島節》の途中、アヤーは様子をうかがいながら、逃げるように退場する。それに気づいた彼は「アヤーよ、アヤー」と連呼して、「トトントトントン」と口三味線を演じることになる。この落差が笑いのポイントだ。
 現在、国立劇場おきなわ展示室では、組踊「花売の縁」をテーマとした展示がなされている(9/22まで)。「花売の縁」は名護市久志、恩納村名嘉真に王府時代の台本が遺され、戦後は嘉手納町屋良、読谷村長浜、南風原町神里で演じられたという。また、「花売の縁」が能狂言との関わりや地方への広がりのなかで位置づけられた興味深い内容である。そのなかに「はる屋の願い」で用いられる猿の面も展示され異彩を放っている。

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