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ユングトゥ継承の場

文=飯田泰彦

―パナパナパナパナノーヌパナネーラ―
 九月にユングトゥをテーマとしたシンポジウム「一人語りの文芸―ユングトゥをめぐって」が開かれた(奄美沖縄民間文芸学会八重山大会)。ユングトゥは、語り芸の一形態として、一人狂言という見方もできる。石垣博孝氏はユングトゥを、‖╋柔があること、独自性があること、I奮覆あること、ぞ个い鰺兇ζ睛董↓ゥ罐鵐拭Ε献薀个ら発想を得たもの、と五つの特徴を挙げ、継承の課題に触れながら概説した。また、シンポジウムで実演された小波本英行氏の「ミーパギ パダラーマ ユングトゥ」、高嶺方祐氏の「ザンヌユングトゥ」「アーパー石ユングトゥ」「高那ユングトゥ」は、先の五条件を満たして見事だった。
 現在、儀礼としてユングトゥを神前に奉納する祭祀に、字大川の種子取祭がある。言語学者・宮良當壮は、ユングトゥをパナパナと称する神遊びに付随するかたちで紹介しているが(『宮良當壮全集12』)、それと現行の祭祀には異同があるようだ。
 現行の大川の種子取祭には午前中の朝願いと夜の神事がある。夜は神チィカサの祈願後、大石垣御嶽の拝殿に集まった役員・有志が、稲のつつがない生長を予祝する、古謡《稲が種子アヨー》を斉唱する。そして、ユングトゥの奉納とパナパナ遊びが行なわれる。
 そこでユングトゥは、頭に藁の神巾を巻いてダシィキビリィ(胡坐)をし、神前に礼拝合掌した後、自らの素性を名のって始める。ダシィキビリィは、播種した籾がしっかり根付くことを願った、縁かつぎの座り方である。
 またパナパナは、花束を持った女性がくるくる回りながら、「パナパナパナパナ、ノーヌパナネーラ」(花々、花々、何の花)と唱え、同座の一人に花束を差し出す。問われた人は花束の中の花の名前を即答しなければならない。返答が遅かったり前に答えた同じ花の名前をくり返すと、ミシィ(神酒)が注がれ、それを一気に飲み乾す約束になっている。一人が済むと花束を持った女性は、再びくるくる回りながら、別の人に花束を差し出し、答えを求める。このような神遊びが小一時間ほどつづく。
 そのときミシィを飲むことについて二通りの解釈があり興味深い。一つは回答を誤った罰としてミシィを飲むというもの。もう一つはわざと答えを誤って神を喜ばすというもの。
 二つの解釈について、大田静男氏はユングトゥの語源が「ヨミゴト」とする説を支持し、「神意をヨム」、すなわち神意を推し量る祭祀の場では、ユングトゥもパナパナも神を喜ばすものとして後者の解釈が適当ではないかという見解を示した(シンポジウム基調講演)。実際にパナパナ遊びで笑いは絶えないのである。
 思えば、故意に勘違いや失敗を演じる道化の笑芸は世界に共通するものである。全国に流布する「鳥射し舞」も「鳥を捕りにがした」という地口と所作が笑いのポイントである。沖縄本島中部の京太郎芸「鳥刺し舞」も「刺ン鳥刺シヌ見サイナ」(刺す鳥刺しの面白さよ)とテンポよく囃したて、やがて「捕イ外チヌ見サイナ」(捕り外しの面白さよ)とうたって、フィナーレに向かう。
 さて、シンポジウム翌日(二九日)、石垣市婦人連合会芸能大会で、「パナパナ―大川種子取」と銘打った演目がみられた。大川婦人会のメンバーが種子取祭を舞台に再現させたのである。神チィカサ役の厳かな祈願から始まり、出演者は《稲が種子アヨー》を斉唱し、「チトベーユングトゥ」「大川の屋号ユングトゥ」が演じられた。その後、パナパナ遊びがあり、巻踊り、モーヤーへと展開する。
 しばしば課題となっているユングトゥ継承の場を婦人会が積極的に創出した意義は大きい。この取り組みの盛り上がりが本来の祭祀と相乗的な効果をあげることも期待でき心強い。

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