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トップ  >  はいの晄の八重山  >  光ばぁちゃんの昔がたり 第2話|はいの晄の八重山

光ばあちゃんの昔がたり 第2話

第2話 毛遊びのことなど
「チュッカーナーに溜めた水を持ってきて、ちょろちょろと戸の道にかけてよ……」

八重山コラム「光ばあちゃんの昔がたり」  旧の3月3日とか十六日祭とか、キザルィ(節目)キザルィには道路の掃除があったさ。男が何名か、雨も降らないのにクバ笠かぶって、三線隠して馬に乗って通るわけさ。

 すぐにわかるよ。「あっ、始まるな」とわかるわけさ。掃除を逃げ出してよ、(川良山の向こうにあった)昔のチリ捨て場の近くに行ってよ、ザングルザングルしてよ……。毛遊びさ。あのときはまた、遊ばす人がいたさ、三線上手な男の人が。

 毛遊びの時は、ウチなんか大川の女は石垣の男とが遊びに行ったね。私なんかくらいの年代では大川には三線弾きはいなかったからね。その時は私が大将。ただ歌を唄いたいために、行こう、行こうとみんなを連れていくわけよ。私ひとりがバーラバーラともの言う人だったからよ、みんなは私にだまされて行くわけさ。(笑)

 大川の男と言えば、私なんかよりずっと年上の、病み上がりで八重山に養生に帰ってきてる人がいたさ。その人が、自分も遊びに連れていけ、歌も唄って聞かせ、というからみんなで行ったよ。そしたら雨がシリシリ降ってきて、その人だけ岩場の陰に入れて……雨に濡らして再発させたら大変でしょ。そんなこともあったさあ。

 あとで「あんなファーナー(こども)と遊んで」と奥さんに怒られていたって。いつか奥さんと会ったときに、「あんなファーナーと遊んでと怒ってらっしゃったらしいけど、たまには歌でも唄わんと病気治らないよ」と言ったら、アハハと笑っていらっしゃったよ。その奥さん、あとでは「入りくば、入りくば」とよく私を呼んで茶、飲ましたさ。

 私たちは十七、八がなるでしょ、この男の人はもう子どもも二、三人いたはずよ。

 雨が晴れたから私たちはまた遊びに行ったさ(笑)。

 大川のマフタネーのヌー(野)でさ、さとうきび畑の真ん中から上等サトウキビを折ってきてみんなで食べながらさ。みんなで並んでほっぺたをガバ(垢)で黒くして、シッツァ(さとうきび)を食べて、「なまぁ、ワァ取ぅりくば」(今度はあんたが取ってこい)と言って、食べ終わったらカスは同じところには捨てないさ、すぐわかるから。わからないように畑の中にはスーラを立てておくわけさ。

 毛遊びのときは、学校歌を唄ったり卒業式の歌を唄ったりした。まだ十七、八だからね、とぅばらーまを謡うひとはいなかったよ。

 鳥が鳴くまで遊んださ。

 金がないでしょ、下の方には行かないで、ただ野良で金を使わないで遊ぶだけさ。さとうきびはちょっと「もらったり」したけど、スイカなんかは、そんなの、取らないさ、本当の泥棒になるからね。また、キビのほかはあんまりなかったよ。

 だけど男と一緒に遊んだからといって子どもができたから結婚したとか、将来いっしょになったとか、そんなことはなかったね。ただ遊びたかったわけさ。そんな年齢(とし)だったよ。

 今日はうた唄って遊ぼうというときは、三線のうまい男を連れていくさ。男がね、墓の上に登って三線弾く、そしてみんなで唄ったり踊ったり……。だけどこの男にすかされてよ、2回すかされたよ。

 「あんたなんか映画館見たことある?」と言うわけさ。そのときみんなピンスー(貧乏)だから映画なんか観たことないさ。「観たことない」と言ったら、「あんかー、今晩よ、どこどこにあつまりなさい」というわけさ。

 「えーっ、ジン(銭)もないくせによ」

 「あるある、ジンはまんでぃ(たくさん)。何人か? はいはいはい……」

 映画が観れるなーって、ヌーぬ(野の)コッパラー(かたい)着物(…あのときは洋服なんか着ることできないからさ)洗って上等にしてから行ったわけさ。

 アレの尻追っていくでしょ、そしたらよ、「ここが映画館だ」ちょ。(笑)

 もう一回はまたよ、十八番街にウシアンマーというスバ屋があったよ。スバ食ぁーすぬはるんでぃ言んくだどぅ(そばを食いにつれていってやると言ったので)、「昨日れーだ、ワーかいすかされーどぅありきぃ(このあいだあんたに騙されたから)行かない」と言ったよ。

 「もう大丈夫どぅやる」と言うから、

 「ふんとう? すかさぬ?」「大丈夫!」

 「ふんとう(本当)ゆう? だぁ、カーキ(指切り)さあ」

 ウリとぅぬカーキーに意味ぬあん?

 これの後についてウシアンマースバ屋の2階に登った。私らは5名。ウリまーぎ6名。

 「ああ、登りくー登りくー」

 円い飯台に座った。アレは行き習いだから落ち着いているけど、私たちは「へぇーここがスバ屋・であんくー」と珍しいわけさ。

 みんなは5銭そば(そばは5銭と10銭のがあった。映画が10銭だったかねぇ)取って、自分はお酒とって(昔はビールってなかったさ)、カンビン1本とって、飲んで、それからもう1本取るというわけさ。

 私たちはそばを食べ終わって、ありがとう、言ったさ。みんな「ありがとう」しーだでぃよコレに!

 「このあいだ映画ですかされたから今日もすかされたかねーと思ったけど、本当だったねー」とみんなでコレを誉めたわけさ。

 そしたらしばらくして、下に降りたさ。金払いにいったかねーと思ったらよ、なかなか上がってこないわけさ。便所にが行ったのかねえ? それでも来ない。おかしいなと思ったらよ、「勘定」と店の人が来るさ!

 みんなプンプンしてよ、「ワヌざぁや!」

 それでもアレは、へへぇーって笑ってがいるのよ。(笑)

 でも墓の上に座って三線弾いて、女、みーんな遊ばすのはまた上手よ。歌もまた上手だったさ。アレが死んだときよ、遊ばす人もいないからよ、「アレだけは死ななければよかったのに」とみんな言っていたよ。

 毛遊びで遊んで帰ってきたら、裏座の戸が閉まっているでしょ、そしたらチュッカーナー(急須)に溜めた水もってきて、ちょろちょろと戸の道にかけてよ、音ださないようにスーっと開けて……、

 そんなしてが遊んだよ。

 行くときには、すぐ入れるように戸をちょっと開けておくけど、だけど、閉まっているときは、あれは、親が閉めているよ。

 


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