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トップ  >  コラムちゃんぷる〜  >  黒島  >  最後の黒島式結婚式―ウブクムリ・アユが謡われた日―|黒島コラムちゃんぷる〜

最後の黒島式結婚式―ウブクムリ・アユが謡われた日―

語り手:野底幸生、取材協力:黒島研究所、文:柿元麻衣、参考資料:うみがめーる

 大きなホテルや施設もなかった時代、昔はどのムラでも、祝い事は各家々で行われていた。昭和33年、黒島・東筋集落で行われた野底幸生・末子夫妻の結婚式。黒島ではおそらく最後に行われたであろう、黒島式の結婚式だったという。

黒島コラムちゃんぷる〜「最後の黒島式結婚式」
野底幸生・末子夫婦。同じ東筋集落出身の二人。幸生さん21歳、末子さん20歳の時に結婚。幸生さんいわく、「うちもいい男だったから、奥さんがものすごく惚れてきて。私のことが大好きだったんじゃないか(笑)」

男は黒い袴、女は訪問着

 今、石垣あたりの結婚式では衣装を琉装でやるでしょう。黒島の昔の結婚式というのは、男は黒い羽織袴、女は訪問着で和装するわけよね。内地あたりでは角隠(ルビ:つのかくし)とやるけれど、こっちではかぶりものはせず、そのまま。羽織袴というのは今の背広と一緒で正装。昔はおじぃなんかは大事なお祝いの時、ほとんど羽織袴だったさ。これが黒島の正装さね。

媒酌人がうたう結婚式の道唄

 昔の式というのは花婿のおうち、花嫁のおうち、それぞれの家でそれぞれの親戚が集まってお祝いをする、つまり披露宴会場は2箇所あったわけさ。花嫁は自分の家でまずお祝いを済ませると、媒酌人に案内されて花婿のおうちへ行くわけ。だけども花嫁の両親も親戚も、誰も一緒には来ないよ。そしてね、そこで花嫁を案内する時に媒酌人がうたう道謡があるんだよ。自分たち以降の結婚式っていうのは現代式だったと思うから、この道謡がうたわれたのは自分たちが最後さね。

花嫁の座、花婿の座

 花嫁が花婿のうちに着いたら家に入る前に爆竹を鳴らす、これは悪いものが入らないようにという魔よけさね。それから花嫁は花婿の母親に手を取られて花婿の横に座る。そして三々九度の杯を交わす、これは今でもやるさね。おもしろいのはこの後、花嫁は別の部屋に行くわけ。裏座よ。花婿はそのまま。そして裏座にも案内者がおるんだけども、それは花嫁の親しい女性だけ。女性だけズラッと並んで裏座でお祝いをするわけさ。花婿の座では御前風といって、めでたい謡をうたう、いいことがあるように“嘉利を付ける”ということでうたっておったよ。おもしろいことに、結婚式では踊りはなかったね。花婿と花嫁は別々にお祝いするんだから、変なやり方だよ(笑)

鏡台とタンス

 花嫁は必ず持ってくるものがある。鏡台とタンス。タンスの中身は寝具類や着物だったと思う。花嫁の実家が買って、娘に「成功しなさいよ」と贈るわけ。鏡台は式の当日に花嫁の女の友達が担いで一緒に持ってくるけど、タンスは重いから別の日に、それも大安吉日を選ぶわけね。ただの日では持ってこないよ。

みんな手作りの時代

 昔は芸能館とか大きい施設がなかったから、大きいお祝いでもみんな手作りだったさ。家族だけではできないから親戚は4〜5日前から総出で準備する。舞台作るでしょう、ご馳走作るでしょう。家のふすまも取っ払って、足りない時は庭にテントも張ったよ。また、料理も薪でやるさね。だから昔の人は大変難儀したよ。

黒島コラムちゃんぷる〜「最後の黒島式結婚式」
結婚式の日に撮ったという、野底家の三夫婦が揃った貴重な一枚。この後、黒島で三夫婦が誕生したのは48年後、平成18年2月に黒島港浮桟橋落成式で渡り初めを務めた大底家である。「今の時代なら三夫婦揃うのもそう難しくないかもわからんけど、昔は短命だったから、三夫婦揃うというのはとても難しかったはずよ」と野底さん。

ウブクムリ・アユ〜結婚式の道唄〜
ウブクムリ屋 真山戸 此ヌ島ヌマテフヌ
ウヤキユド ナウラァス
今日ガ日バ元バィシ 黄金日ドヤタソウヌ
ウヤキユド ナウラァス
体持テ行ル女子 身持テ行ク肝ヌ子
ウヤキユド ナウラァス
手取り行ラ女子 家連リヤ行ラ嫁ぬ子
ウヤキユド ナウラァス
大母屋主連リ来ン 根母屋主連リ来ン
ウヤキユド ナウラァス

解説  (資料提供:野底幸生)
 ウブクムリ屋の真山戸は、弓の名人が矢を的に当て矢が帰らないように、嫁女は弓の如く末永く夫嫁仲良く暮らすようにとの意。媒酌人はこの古謡をうたいながら、花婿の家に入るまでうたった。 家に入ると媒酌人(ハブヌ人)が言う「大家主嫁ヌ子バ手ン取り賜り」霊前結婚式が行われる。
(情報やいま2007年6月号より)

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