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トップ  >  コラムちゃんぷる〜  >  黒島  >  牛づくり・人づくり・島づくり〜珊瑚島(サフシマ)が見い出す大きな可能性〜|黒島コラムちゃんぷる〜

牛づくり・人づくり・島づくり〜珊瑚島が見い出す大きな可能性〜

黒島コラムちゃんぷる〜「牛づくり・人づくり・島づくり〜珊瑚島(サフシマ)が見い出す大きな可能性〜」

 黒島では、畜産を中心においた島づくりが行われている。青年たちが島に帰ってきて、島の発展のために頑張っている。今、黒島の人々はばがー島の未来像をどんなふうに描いているのか…。

畜産を中心にした島づくり

 「全国に通用する牛をつくる」というのが黒島の生産農家の共通の目標である。
 現在、黒島の生産農家は56戸、ほとんどの島民が畜産に携わり生活を営んでいる。
 「牛のおかげで、島は豊かになりました」と話すのは、黒島肉用牛生産組合の組合長を務める船道保伯さん。
 船道さんは父・賢範さんから牧場を受け継ぎ、弟の保秀さんと共に黒島で一番大きな牧場を経営している。
 「父親の世代が黒島の畜産の第1世代で、私たち40代・50代が第2世代、そして今20代を中心とする第3世代が島に帰ってきています。昔から牧場をやってみたいと思っていました。今は同年代の人が牧場を継いでやっているので、いい競い合いの中でやっています」
 黒島には5年前ぐらいから20代の青年たちが次々と帰ってきている。
 島で生まれ、島で育った者もいるが、親が黒島出身ということで牧場を継ぐために帰ってきた者もいる。黒島の活力の源は、この未来を担う青年たちである。
 黒島で畜産が始まったのは戦後からで、それまでサトウキビやタマネギなどを作っていたが、痩せた土地では産業として成り立つには厳しかった。
 牛に移行していったときも、牛は痩せ、島の人々は畜産の敵・オウシマダニとも戦わなければならなかった。
 現在、黒島に行くとすぐ分かるが、道路の両側は見渡しのいい牧場になっているが、昔は牧草も生えずソテツなどの植物に覆われていた。
 それが石を砕き土にするスタビライザー工法で、牧草が青々と生え牛舎の整った牧場へと姿を変えつつある。
 変えつつあるというのは、まだ全部の牧場の整備が終わっていないということ。
 まだ充分ではないが、しかし整備事業が行われたことで、黒島の畜産が飛躍的に伸びたのは事実である。
 収入が安定し生活が豊かになったことを島の人たちは実感している。
 昨年黒島青年会長をつとめた島仲信八さんも、父の牧場を継ぐために帰ってきた第3世代の1人。
 「中学を卒業してから島を離れ、いつかは島に帰ってきたいと思っていました。そのために農業学校へ通い、人工受精師の免許も取りました。島に同年代の人が帰っていたので、自分も一緒に頑張りたい、島で自分の力を出し切ってみたい。」
 その言葉は島の将来を担っていく自信に溢れている。
 島仲さんは島での生活をこう話す。
 「島では自分の牧場を良くしていくだけではだめ。生産農家全体でいい牛をつくるために同じ方向に向かなければいけません。島の先輩たちが苦労をして畜産の土台を作ってくれた。僕たちはさらに全国に出しても負けない牛をつくり、夢は『黒島牛』を生産することです」。
 島仲さんの世代と船道さんの世代の方向性は一致している。
 黒島の農家は、牛を生産し丹精込めて育て上げ、セリに出す生産農家である。
 「これまで牛の生産をしてきました。これからは生産技術を向上させるとともに、肥育の技術も取り入れなければなりません。これからは黒島を訪れた人が、黒島牛の焼肉・ステーキ・牛汁そして薫製や佃煮などの加工品が食べられる、そういう産業を興していかなくてはなりません。それが黒島観光の目玉になっていくと思います」
 と船道さんたちは夢を描く。
 畜産振興のその向こうに黒島の未来が見えてくる。

自信をつけた牛まつり

 毎年、2月下旬の日曜日に行われる「牛まつり」は、八重山の中で有名なイベントになっている。
 今年で9回目を数え、他の地域にはない黒島独自のイベントとして成功している。
 第3回までは町の全面補助を受けて公民館主催で開催していたが、今では実行委員会をつくり若者たちが中心となり大きな島おこしの波となっている。
 これだけ地域の特色を出し、イベントとして成功している例は全国でも珍しい。
 前述の船道さんと島仲さんも牛まつりの実行委員をつとめる。
 今年は船道さんは実行副委員長、島仲さんはイベント部長として牛まつりを支えた。
 「第1回目から関わってきたが、牛まつりに多くの人々が黒島を訪れとても大きなアピールになった。一番の成果は自分たちの力で大きなイベントをやることができるという島の青年たちの自信につながっているということじゃないかな」
 と大きな成果があることを船道さんは話す。
 「島に帰ってきたらすぐに実行委員をさせられて大変だったけど、毎年、開催にこぎつけるまでにはもめることもあるけど、いろんな意見を出して議論をしていく中でみんながまとまっていきます。そのことが島の生活の中で大きな意味を持ってきます」
 と島仲さんは感じている。
 9回を重ねてきたことでお客さんも定着し、牛汁や牛1頭が当たる抽選会などを目当てにくる人たちは多い。
 新しい企画を求める声も多く年々期待がふくらむ一方で、実行委員の負担が大きくなっているのも事実である。
 「牛まつりのときは仕事がまともにできない」というのが本音なのかもしれないが、一方では牛まつりを続けている自負もある。
 やらなければいけないことはたくさんあるが、それに応えるだけの人材がいる。
 「島は元気だ」というのが牛まつりのキャッチフレーズ。
 青年たちが島を盛り上げている。

黒島コラムちゃんぷる〜「牛づくり・人づくり・島づくり〜珊瑚島(サフシマ)が見い出す大きな可能性〜」
黒島コラムちゃんぷる〜「牛づくり・人づくり・島づくり〜珊瑚島(サフシマ)が見い出す大きな可能性〜」


畜産と観光のリンク

 黒島は、西表島や竹富島などと比べると観光客の入客数が少ない。
 他地域に比べて観光資源が乏しいわけではなく、仲本海岸や西の浜などの景観は訪れる人を魅了し、現在の見通しのいい牧場は何とも牧歌的でのどかである。
 畜産業に比べ観光業に従事する人は少ない状況だが、黒島にはこれから畜産と観光をリンクさせるという課題が課せられている。
 黒島を訪れる観光客が「黒島にきたのだから、黒島の牛肉を食べてみたい」と思うのは当然のことである。
 しかし.黒島の牛肉を食べたり、お土産で買っていく場所がないというのが現状。
 畜産農家は牛の品質向上のため日々の仕事に追われ、観光業に携わる少数の人たちが新しく事業を始めるのは容易なことではない。
 かと言って島外資本が入ってくるのでは黒島にとっては意味がない。
 「誰かがやるというのではなく、みんなで関わっていくという方法が可能性がある」と若い世代は言う。
 そこで役に立ってくるのが牛まつりで育ってきた力である。
 今ある薫製や佃煮などの加工品は、牛まつりの中から生まれたものである。
 将来を見据えて、石垣島・沖縄本島・本土にも人脈を求め勉強にも行っている。
 「島おこしは自分たちだけではできないこと。島外で協力してくれる人たちもいます。やることはたくさんあります」
 と青年たちは情熱を持っている。
 島の青年たちと話していると
 「島の先人たちが畜産を築きここまでやってきた。それを発展させて行くのは僕たちの世代」
 と力強い夢を口にする。
 「黒島は観光の大きな可能性を持っている」という声を聞く。
 可能性だけに終わるのか、さらに黒島を発展させていくのか、これからの青年たちの奮闘にかかっている。

これからの黒島のために

 現在、黒島は「牛の島・畜産の島」と言われ畜産業も安定し、20代の青年たちも増え島は活気にあふれているが、「島に帰ってくる青年たちもこのままでは限界ではないか」という声もある。
 牧場を継ぐにも黒島の土地には限りがあり、帰ってくる人たちみんなが畜産に従事することはできない。
 そのためにも畜産以外の仕事が必要になってくる。
 口蹄疫などの伝染病で畜産が大打撃を受けたときにどうするか、畜産だけでない産業を考えていかなくてはならない。
 かつて痩せた土地だった場所が、今では緑の草原になっている。
 水に困った島が、こんなにも豊かな島になった。
 黒島の人たちの努力の結果である。
 珊瑚島(サフシマ)が見い出す大きな可能性は、はっきりとした姿をみせつつある。
 一生懸命にいい牛をつくることが、いい人間を育てることになり、その人間が黒島の未来を築いていく。
 この3つが強力なパイプで結ばれているから、黒島の未来は明るい。
 「やることはたくさんあるけど、やれる人材もいる」ことが黒島の強み。
 黒島の人たちはこれからの方向性をしっかりと持っている。
 「きむぴしち、いるぴしち」と先人たちの言葉にあるように、未来に向かって心を一つにして進み続ける。


>黒島の特産品・おみやげ・本
(情報やいま2001年6月号より)

●黒島メモ
★周囲 12.62km
★面積 10.02k
★人口 220人(男116人・女104人)平成12年9月末現在
★世帯数 116世帯
★行事・イベント 旧正月、牛まつり、豊年祭、結願祭など
★黒島は、保里、伊古、東筋、仲本、宮里の5つの集落からなり、肉用和牛の生産が盛ん。
 竹富町唯一の公設セリ市場があり、畜産の島として広く知られている。
 国立公園内にあり、海中景観は実に素晴らしく、海洋観光地としてのイメージがある。
 民俗芸能が豊富に残されており、芸能の島としても知られている。

 


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